長年、張り詰めた緊張感の中で命を支え続けてきた看護師にとって、定年退職直後は大きな解放感をもたらすと同時に、予期せぬ心の揺らぎを生む時期でもあります。
退職してしばらくは、忙しさから解放された時間を満喫できますが、ふとした瞬間に燃え尽きのような無気力感に襲われるケースも少なくありません。
これまで誰かの役に立つことでやりがいを感じてきた分、急に社会とのつながりが薄くなると、途端に生きがいを感じられなくなるのは、不思議なことではないでしょう。
また、長年の不規則な勤務や重労働によるツケが、この時期に体調の変化として現れることも少なくありません。
現役時代は精神力でカバーできていた疲労が、一気に噴き出したかのように身体のあちこちに不調を起こすことがあります。
自分の健康を後回しにして患者さんのケアに尽くしてきたからこそ、退職後は自分自身の心身に向き合い、メンテナンスするようにしましょう。
特に60代頃になると、身体的な回復力が衰えていくため、細胞の修復にも時間がかかります。
転職したくてもどうか焦らずに、自身の健康最優先で考えるようにしてください。
真面目な人ほど早急に行動しがちですが、すぐに完璧な第二の人生を構築しようとしなくて大丈夫です。
看護師として培ってきた知識や豊かな人間性は、職場を離れても失われることはありません。
ボランティア活動や趣味の世界、あるいは週に数日だけのゆったりとした再就職など、ゆっくりと新たな居場所を探してみてください。